年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
俺が二人の関係性を知ってますと暴露してからも、タケさんは特に変わらず、ちゃんと綾川さんのことはただのモデルさんとして扱っていた。
それなのに、何故かこの前綾川さんが店に来た時から、特別であることを一切隠さなくなっていた。

ただでさえ綾川さんの前では他の人の前よりも砕けていた雰囲気が、気安いを通り越してどこか甘い空気を漂わせていて、見てる俺まで変に照れた。
俺の前でいきなり下の名前で呼ばれた時の、綾川さんのものすごく驚いて、それからめちゃくちゃ恥ずかしそうにした顔に、こっちまで余計に照れくささを煽られた。
なんでか二人で照れ合っている俺と綾川さんを見て、タケさんは一人余裕の顔で面白がっていたけれど。

タケさんと綾川さんがどうやらそういう関係みたいだ、と気付いた時、やっぱり少なからず拒絶する気持ちもあったし、信じたくない思いもあった。
でも俺の知ってるタケさんは、簡単にそういうことをする人では決してない。それに、お客さんとスタッフとしてしか接したことはないけれど、綾川さんだってそんな人じゃないと思った。

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