恋する白虎
「ただいまぁ…」

玄関を開けて中にはいると、杏樹は部屋へと向かった。

「永舜?」

永舜はいなかった。

……。

隣の部屋かな。

杏樹は、隣の部屋を永舜に貸していた。

ノックをしてみるも、返事はない。

「永舜…?」

杏樹はそっとドアを開けた。

…いないや。

ん?なに、これ。

机の上に、見慣れない本が置いてある。

杏樹はその本を手に取った。

古びた感じの本だ。

書物といった感じで、重かった。
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