千年の時空を越えて

皆で、武田さんの部屋近くまで行く。すると丞ちゃんも来た。


総「丞ちゃんが珍しいね?」


丞「俺の雪が武田さんと二人きりとかやっぱり腹立つし。」



総「はぁ?何言ってんの?もしかして、頭どっかで打った?雪は僕のだよ。」



丞「ふっ。総司。すまんなぁ。もうお前の時代は終わったんや。」



総「たたっ斬るよ?」



丞「そんなんしたら雪が悲しむで?」



土「お前らうるせぇ!」


総「土方さんも来たんですか?関係ないじゃないですか?」


土「あるわ!副長としても他の理由でもっ!」


総「他の理由なんて、爪の垢ほどもないですよね?」


土「お前なぁ。」


一「静かにして下さい。」


新「行くぞ」


皆で聞き耳を立てる。


雪『イクミ様でいいですか?』


観『あぁ。』



雪『では・・・。もっと・・・。そう・・・。もっと・・・して。』




観『こ、こうか?』



雪『もっと見て・・・。そう・・・。そこです。・・・。今のいい・・・。』



外の全員「え・・・。」


左「イクミ様って誰だよ!」


平「しかも、これ、雪が武田さん誘ってねぇか?」


総・丞「違う!」


総「雪がそんな事するわけないじゃないですか!」


丞「そ、そーや!雪は、俺のことが好きなんやで!」


総「何言ってるの?僕のことが好きなんです!」


土「いや!俺だと思うけどなぁ?」


新「俺だろ!いつも尻尾振ってきやがるし。」


一「俺だって!」


すると、あまりに大きな言い争いになっていたようで・・・。




スパーーン




雪「うっさいわっ!!!!」



全員びっくぅ!くるーっと振り向くと、仁王立ちの雪。



雪「何ですか?覗き?覗きは、山崎様の専門でしょ?」



丞「恋仲の俺にそんな酷い事・・・。ってそうか!そう言うのは君の俺への想いからくることやったなぁ。すまん、すまん。」


雪「うっさいわっ!」


丞「すみません。」



土「お前ら、何してる?」


雪「ゴマスリの極意を教えて貰ってただけですが?」


土「なわけねぇだろうが!いやらしい声でねだりやがって。そんなのは俺に言え。」


総「何言ってるんですか?土方さんなんか一生聞けない声だし、ねだられる事も一生ありませんからね。」



土「お前~。」



総「勝手に自分が恋仲みたいな言い方するからです!」


左「おい、おまえら話が別んとこ行ってるぞ?」


土・総「!!」


そうだった!土方さんとこんな事言い争ってる場合じゃなかった。本当に邪魔者ですねぇ。



総「ゴマスリなんて嘘ですよね?恋仲の僕に隠し事ですか?」


すると、雪は、一瞬、困った顔になったけど、意を決した顔をして、


雪「ゴマスリです!」


そう言った。何故、そんなに頑なに武田さんを庇うの?



少し悲しくなる。すると、武田さんが、



観「もういい。雪。」



と言う。何?何を隠してる?



雪「武田様。もし打ち明けるなら、全力で私が奪いますよ?」



え?奪うって何を?皆、そう思ってると。



雪「いいんですか?私なら、一瞬ですよ?」


何の事?


雪「武田様・・・。それは、台所の棚に隠してます。」


全員「え?」



雪「イクミ様の等身大ポスターってもわからないか。イクミ様と同じ身の丈の鮮明なほとぐら。」



そう雪が言った途端、武田さんは台所へすっ飛んで行った。





< 206 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop