千年の時空を越えて


雪「総司様!!!」



部屋に入ると、目の前で、総司さんが誰かを斬って、そのまま倒れる。




雪「吉田 稔麿・・・。」


ザクッとトドメを刺す。



すると、殺気。


来た。


雪「松田 重助さんですか?」



松「あぁ。」




唇を舐めて、フッと息を吐いた。




雪「あなたの命頂きます。」



刀を握り直し、構える。


飛び込むと、受け止められる。


何度も打ち込む。



カキン!  カキン! と何度打ち込んでも、受け止められる。カキン!刀が折れた。



松「お前、なかなかだがもう終いだ。」


雪「やっぱりか・・・。」



私は、松田のデータをコンパクトタブに入れシュミレーションでほぼ毎日戦っていたがここへ来る間際まで戦ったが、一度も勝てなかった。



私が、松田を倒せる可能性の最後の一つ。










相討ち・・・。











一つ深呼吸。短刀を抜き、腕を上げ、面を打つ格好をとりながら向かっていった。



来い!腹に切り込んでこい・・・。




ザシュ。




腹に衝撃が来た瞬間、松田にしがみつく。抱きしめる格好で



雪「お終い。」




松田の首に、短刀を当て、引き抜いた。血潮が飛び散り、松田が崩れ落ちた。全身に、松田の血がかかる。



念のため、心臓にもトドメを刺す。




振り返り、総司さんの元へ向かうも、足に力が入らない。



雪「そ・・・ぅ・・じ・・・さま。」



なんとかフラフラしながらも彼の側へ寄る。



薬・・・。吐血してる・・・。



抱きかかえ、今度は、応急対策の錠剤を噛み砕き、水を口に含み、彼に口移しで水を少しずつ移す。



昏睡状態に近いが、なんとか飲んでくれた。



すると、部屋に誰かが入ってきた。




今まで、隣の部屋に隠れていたようでこちらに向かって斬り込んで来た。



私はとっさに、総司さんに覆い被さった。



ザシュ。



背中が熱い。いや、体中が熱い。パラパラと何か、落ちる音が聞こえた。



男「よくも仲間を!串刺しにしてやるわ!」



そう言って男は、こちらに向かってきた。




もうダメだ。ぎゅっと総司さんを抱きしめた。




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