千年の時空を越えて
逮捕?それとも・・・。





遂に、この日が、来た。





近藤さんと土方さんが、伊東さんを近藤さんの妾宅に呼び出した。





雪「ようこそ、いらっしゃいました。どうぞ。近藤さんと土方さんが、お待ちです。」



伊東「っ・・・。乾君もいたんだね。それにしても、芸妓姿とは、美しい!」




雪「えぇ。今日は、伊東様をおもてなしするようにと仰せつかってます。」



伊東「へぇ・・・。沖田君はよろしいのですか?」



伊東さんは、一瞬、表情が崩れたものの、すぐに、いつもの“顔”に戻る。





雪「近藤局長の命ですので、大丈夫です。ご心配には、およびません。さぁ、どうぞ。」




私は、伊東さんに、湯飲みを渡して、酒を注いだ。




伊東「ありがとう。」




伊東さんは、私を隣に置いて、次々と酒を煽る。




伊東「近藤さん・・・。私が、ここへ来た理由は・・・。近藤さんからの文の内容をお願いしようと伺った。」



近藤「あぁ。わかってる。とし・・・。」




すると、土方さんは、風呂敷に包まれた、小判を見せた。




伊東「ありがとう。これで、楽になる。」





近藤「かまわんよ。新選組と兄弟のようなものだ。共に頑張ろうでは、ないか。さぁ、湿気た話は、終いにしよう!伊東君!飲もうでは、ないか!」




伊東「えぇ。そうしましょう。」




そしてしばらくして・・・。




伊東「厠へ行ってきます。」





そう言って、部屋を出て行った。




近藤さんと土方さんが、私に、目配せをした。




私は、立ち上がり、伊東さんの後を追った。

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