千年の時空を越えて
喧嘩別れ




大敗した甲陽鎮静撫隊は、江戸へ戻ってきた。




神田の医学所に新選組の設立当時からのメンバーが集まる。




近藤「これからだが、どうするかだ・・・。」




土方「ただ、今までのやり方は、もう、遅れてる・・・。」




総司「刀が通用しなくなってきてるんですね・・・。」




土方「あぁ・・・。」




総司さん、辛そう・・・。




しばらく、どうするかで、話し合っていたが、休憩になった。





総司さんが、部屋をそっと、出て行った。





私は、後を、付いていく。





総司さんは、縁側に来て、立ち止まり、庭をボーッと見ていた。





雪「総司様?」




声をかけると、総司さんは、ゆっくり、振り返る。




私は、総司さんに抱きつく。





今、一瞬、総司さんが、消えるかと思った・・・。





それほど、苦しそうな顔をしていた・・・。





雪「どうしたんですか?」




総司「うん・・・。今からは・・・もう鉄砲の時代なんだなぁって思って・・・。ほら、僕さぁ・・・。剣の腕を磨くことでしか、生きる道が、無かったから・・・。なんだか、剣は、もう、必要ないのかと思うと・・・っ。」




私は、抱きしめる腕の力を強めた。




雪「そんな事、無いです!確かに、真剣は、銃刀法という法が、出来ますが、剣道は、千年後も残っているんです。だから・・・。だから・・・。」




総司「うん・・・。わかってる・・・。時は、流れてるもんね・・・。」




雪「はい。」




私は、もう一度、ギュッと、総司さんを抱きしめた。




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