イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~

「おねー」


家に着き玄関扉を開けると、待っていましたとばかりに弟のシュンが飛びついてきた。


「……――シュン、ちゃんとママの言うこと聞いていい子にしてた?」


「あー」


シュンを抱き上げてリビングを抜け、奥の畳の部屋へ足を踏み入れる。


そこには顔色の悪い母がベッドに横たわっていた。


「大丈夫?調子は?」


「愛海……おかえりなさい……。今日は少し調子がいいわ……」


「そう。今、シュンにおやつあげてくる」


「いつもありがとう……」


母はそう言うと、再び目を閉じた。

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