3つ星物語
日曜日の昼下がり、私は鼻をくすぐる香りで目が覚めた。
 
枕元の時計を見ると、午後1時を回ったところだった。
 
夕べは朝方まで友だちとメールしていたから、起きるのもこんな時間になってしまった。
 
休日にしては、これでも起きるのは早い方だったけれど。
 
メールの相手は、北高の森村くんという人だ。
 
私の通っている女子高の川向かいにある男子高で、私が逆ナンする形で知り合った子だ。

“この間、街なかで大地って子に声かけられたよ”から話題は始まった。

“玖生可愛いから、プリクラ見せて自慢したことがある”
 
と、森村くんから返事がきた。
 
可愛いからって、まあ。
 
私は嬉しくなって、それで長々とメールのやりとりが続いたのだった。
 
交わした何通ものメールで、携帯が重くなった感じがした。
 
私は家中の甘い匂いで我に返った。
 
うーっと大きく伸びをする。
 
すると、お腹がくぅと鳴った。
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