続・元殺し屋と、殺し屋






「紅羽がバルシーに会っていた時刻、月宮もいなかった」

「…ッ」

「ただ、月宮がバルシーだと言う証拠はない」

「…どうするの?」

「紅羽がバルシーに会い、そんな伝言を受けたんだ。
下手に証拠もないのに、動けない…」




悔しそうな顔をする澪鵺。




「文化祭、どうするの?」

「下手に動けないんじゃ、その日まで俺らも行動できない」

「…ッ」

「近々恭真が、ホワイトキャットに連絡はすると言っていた。
だが…連絡が取れるかどうかだ」

「恭真でも取れないの?」

「恭真曰く、ブラックキャットとホワイトキャットは昔から敵同士らしいんだ。
まぁホワイトキャットが勝手に敵視しているだけみたいだがな」

「そうなんだ…」

「紅羽も下手に月宮と接触するな。
もしバルシーの月宮にあったら、何も抵抗するな」

「うん…」

「バルシーはダークみたいに、殺害現場に名刺を残していることがわかっている」

「そうなの?」

「ああ。
バルシーは世間的にも有名だし、警察もダークに続く連続殺人鬼と噂されている」



バルシーも、ダークと同じ世界一の殺し屋だもんね…。




「だが、ダークと殺し方は異なるんだ」

「何が違うの」

「ダークは、銃で何発かと、ナイフで刺すぐらいだろ。
バルシーは殺された被害者が誰なのか判別不可能に近づけるぐらい、傷つけるんだ」

「そうなの…?」

「死体は見れたものじゃないらしい」




そんなに酷く殺すなんて…。

どんな殺しにも、やりすぎは御法度なのに。





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