続・元殺し屋と、殺し屋
「あ、ありがとう。
陽詩にも予定を聞いてみるよ…」
「ありがとうございます氷さん。
…どうしたんですか?
笑顔がぎこちないですよ?」
「……気のせいじゃないかな?」
普段は鈍感のくせに。
こんな時だけは目ざといんだから。
困ったものだ、紅羽の目も。
「そうですか、わかりました。
では私たちは生徒会のお仕事がありますので、失礼します。
ほら澪鵺、行かないといけないよ。
澪鵺は会長なんだから」
「…………うん」
欠伸を噛み殺しながら、澪鵺は頷く。
そして半ば紅羽に引きずられるようにして、2人は学校へ向かって行った。
その後姿を、澪鵺と同じく欠伸を噛み殺しながら見ていると。
「クレちゃんとレイくん?」
「うわあああぁぁぁぁああ!?」
「ちょっ、氷くん近所迷惑だよ!
早く中入って!!」
僕の彼女―――和泉陽詩に背中を押されながら、僕は中へ入る。
そしてそのまま、背中を扉にくっつけたまま、僕は座りこんだ。
「氷くん大丈夫?風邪?」
「…いや、違う」
そーだ忘れていた。
…でも、言えないなぁ。