続・元殺し屋と、殺し屋

★文化祭2日目








☆☆☆





次の日、文化祭2日目。

バーは夜だけ開ける臨時休業とした。

陽詩も大学ではかなり優秀だから、たまに授業に出なくても大丈夫らしい。

陽詩は本当に、しっかり者で、僕には勿体ない彼女だ。





そんなことを考えているうちに、僕らは高校に到着した。

…高校、か。

僕は高校なんて行っていないからな…。

言っちゃえば、小学校も中学校も、まともに通っていない。

なので僕には、友達というものが存在しない。




施設育ちだったけど、いじめにあって。

抜けだした僕は組織に引き取られ、そのまま居ついている。

知り合いは、夜を仕事にする人が多い。

殺し屋だったり死体屋だったり、暴走族の総長とかヤクザの組長とか。

表の世界での知り合いなんて、陽詩と紅羽と澪鵺の友達だけ。

紅羽と澪鵺の友達だけど、恭真くんは別。

彼はブラックキャットのボスとして見ていたから。

今は良い年下の友人だけどね。





総司くんも花菜ちゃんも知紗ちゃんも、裏の世界のことは知っている。

知紗ちゃんなんて、恭真くんに会いに殺し屋組織に一緒に潜入したことあるしね。



それぞれが辛い過去を持っていたからこそ。

通じ合う何かがあったのかもしれない。



良いな…そういうの。

少しだけど、憧れる部分がある。






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