続・元殺し屋と、殺し屋
前2作とは違い、コメディも含まれていて、面白かった。
劇を見終えた僕らは、この後に控える軽音部の演奏を見たいお客で多くなったので、体育館を出ることにした。
僕も陽詩も、人混みは苦手だからね。
校内を歩き回った。
すると。
…何故か、グラウンドが騒がしい。
僕らは顔を見合わせ、校舎の4階から校庭を眺めた。
するとそこには、紅羽と澪鵺が見えた。
2人とも険しい顔つきをしている。
僕、視力はかなり良いからね。
紅羽と澪鵺の先には、文化祭に似合わない服装の人が立っていた。
黒いパーカーのフードを被り、黒のズボンを穿き、黒の靴を履いた、全身黒ずくめの怪しい人物。
僕はすぐさま陽詩を連れ屋上に入り、ブラックキャットに連絡した。
そして殺し屋バルシーが“仕事”を行(おこな)った場所を特定してもらう。
その付近にある防犯カメラにハッキングした。
ちなみに屋上の鍵は、ピッキングで開けさせていただいた。
ハッキングがバレるわけにはいかないから。
後できちんと閉めて指紋を消すから、証拠は残らない。
バルシーが“仕事”をした場所は街灯が少なく、犯行現場自体が詳しく映っていなかった。
まぁ詳しく映っていたら、すぐに警察が見つけて逮捕しちゃうけどね。
僕は防犯カメラに残された数少ない情報を全て入手し、バルシーのみをアップにした。
バルシーの服装は、黒いパーカーのフードを被り、黒のズボンを穿き、黒い靴を履いている。
陽詩に頼み僕のスマホで、紅羽と澪鵺と話すバルシーを撮影した。
すぐさま写真をパソコンへ取りこみ、防犯カメラに映されたバルシーと合わせる。
出た結果は……99,5%一致。
間違いない。
今校庭にいるのは、殺し屋バルシーだ。