続・元殺し屋と、殺し屋







「確かにそうですね。
逢沢さん、どうですか?」




クラスメイトの視線が一斉にチサに集まる。

一瞬驚いたけど、断れる雰囲気じゃないのはチサでもわかっていて。

躊躇いがちに頷いた。

…本当はやりたくないけどさ。

やらないと駄目な雰囲気じゃん、これ。

実行委員の月宮も、「やれ」と言うオーラが漂ってきているし。




「じゃ、ナコ役は逢沢に決まりだね。
次はライ役だけど…」



フフンッという勝ち誇っような笑みを静かに浮かべる月宮。

誰も気が付いていないみたいだけど…。

月宮って、案外腹黒?




「俺やります」



スッと1列挟んだ列の後ろから2番目の人の手が上がる。

…恭真だ。






えええぇぇぇぇええ!?

恭真が、ライ役立候補!!??




「俺にライをやらせてください」



「俺以外は認めない」と、恭真の月宮への視線が物語っている。

月宮も察したのか、小さくバレないよう溜息をついた。






< 74 / 308 >

この作品をシェア

pagetop