続・元殺し屋と、殺し屋







「お願いします逢沢さん!」



突然土下座を始める新野くん。

その光景に、チサも恭真も驚くばかり。



「……恭真」

「…知紗、行きたいのか?」

「良いの?」

「新野も必死そうだしな…。
ここで断ったら、新野は知紗に付きまとうんだろ?
なら、1度デートに行って忘れてあげた方が良いんじゃないか?」




確かに。

このままチサへの恋心を忘れられぬまま生きれば、新野くんはきっと次の恋が出来ない。

新野くんは結構イケメンな方だから、彼女がいないまま独身を貫くのは勿体ない。




「…良いよ」

「良いんですか!?」

「1日だけなら良いよ。
だから新野くん、頭を上げて」




新野くんは満面の笑みを浮かべながら立ち上がる。

そんなに嬉しいんだ…。




「いつ行く?
早めの方が良いんだけど…」

「なら明日の放課後行きませんか?」



明日の放課後は、練習だな…。



「良いぞ1日ぐらい行ってきても」

「神崎!」

「逢沢も恭真も演技に文句ないからな。
1日ぐらいサボっても構わない」

「ありがと!」




明日の放課後、新野くんとデートです。

…不安でいっぱいだけどね……。








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