Spise・Love〜私が歩いた道〜

「キャー!!!」


今まで、聞いた事の無いほどの、お母さんの力絞った悲鳴が、私の耳に虚しく響いた。

いつもはもっと、お母さんの悲鳴や、物が壊れる音、お父さんが殴る音が聞こえるのに…


一階からは何も聞こえてこない。急に凄く心配になってきた。


お母さん?

いつもより早く暴力が終わったホッとした気持ちと裏腹に、いつもより早く終わったという、恐怖心みたいなモノが心のなかで混じり合う。

自分が恐れていた事が…今なのかも。そう思った。




ガチャン

玄関のドアを開けた音が聞こえた。お父さんが外に出て行ったみたいだ。




今のうちに、お母さんの様子を見に行こう。
震えている自分の体を、きつく抱きしめながら、意をけして自分の部屋のドアをそっと開ける。

お父さんが本当に外出したのかを確認して、ゆっくりとリビングのドアを開ける。




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