シオンズアイズ
カイルが苦しそうに顔を歪める。

「君は……わかってるのか?!俺を治すことがどういう事か」

シオンは泣きながらカイルを見つめた。

「シリウスが嫌いよ!闘いも嫌い!けど、カイルには死んでほしくないの」

カイルは眼を見開いてから、唇を噛み締めて苦しげに顔を背けた。

「……行くんだシオン。王子と行け」

「カイル」

「俺は白金族人間だ。ここにはいられない」

「カイル」

「いいから、行け!!」

ファルがシオンに腕を伸ばした。

「シオン、行くぞ」

シオンは慌てて再び涙を拭うと、その手をカイルの腕に押し付けて擦った。
< 309 / 515 >

この作品をシェア

pagetop