先輩と、わたし。





俺は、林田の前まで歩いてくとゆっくり座り込んで、林田と目線を合わせた。






「ん、そーだよ、何で俺が花乃を大好きなの知ってて告ってきた?」






よく出来たよな、ほんと。





俺なら、花乃が仲良くしてるやつを悪く思うくらいしか出来ねーのに。





そう思いながら言う。






「林田のそーゆーとこすごいかも。何つーか、“自分”がはっきりしてて、強いよな。」






俺のその言葉を聞くと、林田は少し泣きやんで、ほのかに笑った。





切ない泣き笑い。






「……もう、あたし、悠哉のこと諦めたくてふられに来たのにっ。何でそんなこと言っちゃうのよ~…。」






林田が俺を少し恨めしそうに、そして俺を乞うように言った。








「悠哉と花乃ちゃんがラブラブなのは、よ~く知ってるんだから…っ。」






そう言い捨てると、林田は涙を拭いながら教室から走り去っていった。







…これ、花乃に言った方が良いの?










< 352 / 440 >

この作品をシェア

pagetop