先輩と、わたし。





「わたしが案内するので、覚えてくださいねっ?いつでも来られるように…。」





言ってしまってからハッとする。





わたしってば、休みの日にまで何てこと言ってるんだろ。





そろーっと先輩を見たら、先輩はわたしの好きな柔らかい笑顔で笑ってた。







「ん、了解。」






先輩は短く答えると、わたしの髪に一房触れた。






「今日は下ろしてんの?初めて見た。」







そうだったかな。




それを知ったら、何だか恥ずかしくなってきちゃった。







「…変ですかっ?」






気になって声を出すと、先輩は首を振った。





「いや、可愛い。ふわふわなのな。」





先輩の言葉で、暑さも忘れて笑顔になる。



わたしのくせっ毛も、先輩にふわふわって言ってもらえて嬉しがってるよ。








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