嘘つきなあなたからの恋文。


あともう少し。


「小池さん」


「何?」


「ごめんね」


「ツッ……」


彼が教室から出て行ってドアが閉まる。


廊下に響く彼の足音が遠くなった瞬間、我慢していた涙が一気に溢れた。


「なんで…」


別に100%自信があった訳じゃない。


でも叶う方に少し自信があっただけ。


だから、思わぬ結果に涙が止まらなかった。

悔しかった。

彼の断りを遮って純粋な自分の気持ちに嘘をついたことを。


そして、何故か彼が教室から出る間際涙を流していたのかも。


「な…んで……コタくん…が泣くのよ」


嗚咽と混じって発した疑問は誰にも分からず、

ただ分かることは彼は私には恋愛感情なんて持っていなかった。


ただそれだけは分かりたくても分かってしまった。

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