ポーカーフェイス
さすがの真離も少しだけ脳裏を横切るあの瞬間が苦しくなる。
その度にいつも忘れようと何かを洗い流すかのようにシャワーを浴びて気分を紛らわせていた。

はぁ…

シャワーを浴びながらため息をつく。

そして全てを洗い流した後、いつもの冷静な真離へと戻る。

シャワーから出て髪を乾かしていると、真離のケータイに城之内から電話が掛かってきていた。

プルルル…

プルルル…

真離はドライヤーを止めて電話にでた。

真離「もしもし」

城之内「お前…ミスを犯しただろ。」

真離はしかめっ面をして言い返す。

真離「ミス?何のことよ。」

城之内「証拠を残すなんて、お前もまだ半人前だな。」

城之内は電話の裏側で軽く真離を嘲笑った。

真離「は?」

そう真離が聞き返すと城之内は口を開いた。

城之内「情報が入った。お前の物に違いない。あの日無くした物があるだろ。よく見てみろ。警察が嗅ぎ回る前にどうにかしろ。じゃあな。」

そう言って城之内は電話を切った。
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