溺れて、染まった1日に



頭を上げて、こつんとおでこ同士をくっつける。

けしてやましいことはないけれど、もう嘘はついちゃいけない合図。


「ちょっと意地悪で、人気もので…、でもっ、別になんとも思ってないよ?」

「本当に?好きじゃないのか?」

「え…私が?! ないよ、それは」

「……へぇ。俺、結構妬いてるんだけど。」

「なっ、」

「あいつだけはありえねぇからな。俺というやつが近くにいながら」

「だ、だからっ、」

「ほら、起きろ。そろそろお前の家行くぞ」

「あっ…、うん」


なんだか少しおかしい優真。

私の手をまた引き、荷物を持って私の家へと向かった。


………………痛い。


今日は、なんだか少しおかしい日だった。



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