溺れて、染まった1日に



「入学したばっかりだから、ずっと学活ばっかりだねー」

「まあ、その方がいいよ。……あ、ほら、あんたの隣の奏って人、また叱られてる」

「椿奏って人だよね」

「そう。かっこいいよね」

「んー……そうなのかぁ」


先生のガミガミ言ってる方に視線を向けると、奏って人は私の方をチラッと見て何か口パクした。


「お前!怒られてるんだからふざけるな!!」

「………うーい」


馬鹿だ。
絶対馬鹿だあの人。


「このクラスになってから、あんたのことずーっと馬鹿にしてるよね」

「そうだね……私の強さを見せつけなきゃだめなのかな」

「ブッ!!……、っっ、馬鹿ー!飲み物飲んでる時に笑わせないで!!」

「えへへ、ごめんごめん」


「ほんっとだよ。馬鹿なのはお前だ紗彩。」


「っ、……ったぁー!!」


丸めたノートで頭を叩かれて、痛くて涙目になった。

誰かなんて声を聞けばわかる。


「……優真、死んで」

「はっ、絶対やだ」


ふふん、と明るく染めた髪を無造作にかきあげる優真。

ドヤ顔もいいところだよ。失礼だな。



< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop