月明かりと薄桜 -誠の絆-



そして夜が更けたころ

また外出禁止令が出された



けど今回は一人じゃない

彼も一緒だった



「なんで僕が君と留守番なわけ…」



隣でぶつぶつ文句を言っているのは

もちろん沖田さん

あぐらをかいて部屋の隅で固まっていた


なんでって私に言われても…

だって沖田さん…




「うっ、げほっ…げほっ」




老害が悪化してるじゃないですか

なんて口に出して言えるはずもなく

そう心の中で答えた



彼の老害は薬を飲んでも体を休めても

よくなるはずもなかった



死の病

"老害"



それは確実に彼の体を蝕んでいってる

ここに初めて来た時よりも

体は細くやつれていってる気がするし…



彼のタイムリミットは

刻々と迫っているようだった_____

< 218 / 305 >

この作品をシェア

pagetop