不器用ちゃんと不器用くん。
中津先輩について歩くと、中津先輩は中庭まで来て足を止めた。
「ごめんね、わざわざ時間もらって。」
「そんな!全然大丈夫です。」
「ほんと?ならよかった。携帯で連絡してもよかったけど、直接会って話したくて。」
そう言ってはにかむ中津先輩に、あたしの心臓は暴れ出す。
「どうかしたんですか?」
あたしがそう尋ねると、中津先輩は、
「ああ、うん、、」
と、少し言いづらそうな様子だった。