Honey ginger



「藤堂…?ねぇ、起きてよ」




「ん…。」



はぁ。とだるそうに眼をあけ、またすこしうなだれる。


もしかしてここで一晩中?


じゃなきゃ、こんなとこいないか。



「本当に帰る家ないの…?」



「っていってんだろ。一晩…ね、ても…脳な、し」



頭痛がひどいのか、熱が高いのか、顔をわずかにゆがませながら




憎まれ口をたたく



病気の時まで、こんな口叩くとはこりゃ根っからだな。



「とりあえず、家に入るよ!」




片腕を私の肩にまわし、部屋に担ぎ入れ



ある程度水けをふき、



ベッドの上にバスタオルをしき、


寝かせる。



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