魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「うん、だって……」
「だって、何?」

 勇飛くんが体を起こした。すぐ目の前に彼の真剣な瞳がある。

「だって、ユウヒくんが一緒にいてくれるから。一人じゃないから大丈夫」
「セリ……」

 彼が嬉しそうに目元を緩めたかと思うと、長い睫毛を伏せて顔を傾けた。私もそっと目を閉じたそのとき……。

「不純異性交遊は認めませんからねっ!」

 マスター・クマゴンのだみ声が飛んできて、私たちはあわてて離れた。
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