Love Birthday‥



「いい加減にしろっ!!」


拓海先輩の怒鳴り声の後、静かになった部屋に私の泣き声と争った二人の荒い息だけが響いた。




「帰る」

竜也さんが怪訝な顔で部屋を出ると、拓海先輩がみんなに謝って竜也さんの後を追った。


小百合は、すごく悲しい顔で拓海先輩を見送っていた。



「もう、離していいよ」


志則の体を押さえつけている高木君に、息があがったまま志則が穏やかに言った。



「大丈夫?」

「こんなの平気だよ」


心配して声をかけた久美子に、志則が笑みを見せて言った。

立ち上がった志則の頬は、赤く腫れていた。


きっとその頬は、これからもっと腫れてしまう。

私のせいで、志則が痛い思いをした。



「ごめんね、ごめんね……」

「なんで謝るんだよ。平気だって言ってるだろ?」


泣きやまない私の頭を、志則が優しく撫でた。



竜也さんよりも小さな志則の手が、


とても大きく


温かく感じた。











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