意地悪な男と恋をはじめます。
第参話記憶の中の人(洸side)
二年前にこの会社の総務部に入った男の名前、矢野 洸と言う。
顔良し、身長良し、学歴良し、性格も良し。そう来ればモテないはずもない。そう、かなりモテるのだ。それはあくまで、周りからの意見だ。

これらが周りからみた、俺の評価だ。

「おかしいなー。確かに会ったことあると思うんだけど・・・。」

俺が考えているのは、同期の間宮 桜楽のことだ。正直俺にとっては、入社した時が初対面ではなかった。ずっと、そしてかなり昔に会ったことがある風に、感じてしまう。

「確かあれは・・・小学生くらいだな。向こうがいきなり転校して、消えたんだよな。10年も前か、無理もないんだけど思い出して欲しいんだよな。」

「おい、矢野!」

と、いきなり部長に頭を叩かれた。痛いんですけど。

「なんなんですか、部長。物差しで頭叩かないでくださいよ。」

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