【完結】遺族の強い希望により
だから大丈夫だと、そんな風に苦しみ続けなくて良いのだと、亮は言ってくれた。
自分が許されただけでなく、彼も彼自身を責めずに済むその言葉は、確かにみのりを闇の底から引き上げた。


誰かのせいにしないといけないと思い込んでいた。
その誰かは、自分自身でしかあり得なかった。
誰のせいでもないとこの人が言ってくれるのならば、そうなのかもしれない。
信じて良いのかもしれない。


亮が紡ぐ『大丈夫』には、まるで何か特別な魔法がかかっているようだった。
虚勢を張った偽りの『大丈夫』を、本当の『大丈夫』に変えていく。
否定し続けた自分を、信じてみたくなる。


みのりはコートの上から、そっと自分のお腹のあたりを押さえた。
あの出来事を乗り越えるとは、どういうことだろうと考えながら。
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