【完結】遺族の強い希望により
1人この家でじっと耐えながら、彼女はパソコンを検索してしまった。
気を紛らわせるため、或いは伏せられた真実に近づくため。


――似てる。

みのりは話を聞きながら、亮から訃報が入った直後の自分の行動を思い返した。

もしも1人じゃなければ、傍に誰かがいてくれていたら取らなかったかもしれない行動。
掲示板の書き込みを見さえしなければ、起こっていることを知りさえしなければ、ここまで気を揉むこともなかっただろう。

けれど知ってしまった。
そして今ここにいる状況が、果たして自身にとっては良い事なのか悪い事なのか……。


自身を顧みることは一旦止め、また玲奈の話に耳を傾ける。
彼女はきっと、知らなくても良い事実を見つけてしまったのだろう。
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