【完結】bitter step!
「好きな人のことを考えながら作るの、ドキドキしない?」

「好きな人とか、いねーんじゃないのかよ」

嘘も方便、とかしれっと言ってたじゃんか。

「なおのことも純平のことも、好きだって言ったじゃない」

……そういう『好き』の話かよ!


「なおが作ったチョコも、一度でいいからもらってみたいし」

「……さっき作ったダマダママーブルのカップチョコでも食えよ」

「駄目よ!バレンタインにもらうことに意味があるんだから」


うーん、分からない。
全然分からん。

これ以上の問答は不毛に感じて、残っていたコーヒーを飲み干す。
カップを置いた時、美紗と視線が絡んだ。


やたらと意味深な笑いを浮かべる美紗はいつもより少しだけ大人っぽくて、妖艶で――……、綺麗、だけど、少しだけ、怖かった。
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