【完結】bitter step!
年に一度の【女の】イベントに起因して、少しだけ感情がささくれ立つのは毎年のことだ。
ボクと美紗と純平の、微妙なバランスを保った不安定な関係が、それをきっかけにグラつきはじめる――ように、ボクが勝手に思ってしまうだけ。
2人に対する奇妙な嫉妬とか独占欲とか、焦燥感とか疎外感とか、得体の知れない小さな不安は常にボクの中のどこかに隠れていて。
昔から、……多分、生物学的な男女の違いを正しく理解した頃から、ずっとそれはあって。
――だから。
純平が気付いている変化は、バレンタインが原因のそれじゃない。
今このタイミングで、いつもと何かが違うのだとしたらそれは、……部室棟の裏の【アレ】を見たせいだ。
ボクがアレを見ていたことを知らない純平に、それを言い当てられるわけが、ない。
気付く、わけがないのに。
「なんで……」
そう思った?
ボクと美紗と純平の、微妙なバランスを保った不安定な関係が、それをきっかけにグラつきはじめる――ように、ボクが勝手に思ってしまうだけ。
2人に対する奇妙な嫉妬とか独占欲とか、焦燥感とか疎外感とか、得体の知れない小さな不安は常にボクの中のどこかに隠れていて。
昔から、……多分、生物学的な男女の違いを正しく理解した頃から、ずっとそれはあって。
――だから。
純平が気付いている変化は、バレンタインが原因のそれじゃない。
今このタイミングで、いつもと何かが違うのだとしたらそれは、……部室棟の裏の【アレ】を見たせいだ。
ボクがアレを見ていたことを知らない純平に、それを言い当てられるわけが、ない。
気付く、わけがないのに。
「なんで……」
そう思った?