【完結】bitter step!
ボクが美紗の手を借りずに平均点以上を取れるのは、現代国語と英語くらいだ。

理数系科目は放っておいたら100%赤が付く。
ボクは別に赤を取ったからって何かに傷がつくと思ってるワケじゃないけど、春休みに補習に呼ばれるのだけはヤだ。


純平も似たようなもので(彼の場合は部活もかかってるからより必死だ)、誰も乗り気じゃなくてもこの勉強会は毎回開かれる。
その度に美紗におんぶに抱っこなのは否めないが、世話好きというか面倒見の良い彼女は、今まで一度もボクたちを見捨てたことがない。


学校内の(生徒会室以外の)どこにいても誰かしらのファンに捕まるようになってしまったバレンタイン直前のこの時期、図書室に3人で居残るというのはあまり得策ではなかった。

早々に学校を出てきたは良いものの、それじゃあ【どこで】やろうか、という、ボクたちが直面している問題を代表した純平の質問だった。
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