【完結】bitter step!
タイヤの公園――今も昔も。
残されたボクと純平には、ある種の仲間意識がいつもより強く働いていた。
そのせいか、ボクだけじゃなく純平も、このまま真っ直ぐ家に向かうのを躊躇っているのが分かった。


「……なお」

「うん……」


その短い会話で、意思が疎通する。


長い付き合いだ。
互いの考えていることは、口にしなくても、大抵理解できる。
――それが、ボク自身に関することじゃなければ、の話だけど。


自然、ボクらの足が向かったのは、昔よく3人で遊んだ近所の公園だった。
まあ、ちょっとした現実逃避だ。


【タイヤの公園】と勝手に名づけていたその公園の前を通ることはあっても、中に足を踏み入れるのは相当久しぶりだった。
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