【完結】bitter step!
ギブアンドテイク――知らない世界へ、一歩前進?
家に帰ってすぐ、夕飯を食べた。
メニューはリクエスト通り、から揚げとポテトサラダだ。
試験の結果を褒めた父さんが「お祝いのハンバーグは?」と尋ねたから、母さんと2人で笑った。


その後風呂に入った。
身体を丸めて頭まで潜って湯にたゆたい、息が続かなくなったら酸素を求めて顔を出す。
そんな作業を繰り返している内にのぼせた。


目眩に襲われながらフラフラとキッチンへ行き、冷えたスポーツドリンクをあおる。
見かねた母さんが、冷たい水で濡らしたタオルをくれた。


部屋に引っ込み、そのままベッドに身を投げ出す。
首の後ろに濡れタオルを当てて冷やし、ようやく少しずつ思考がクリアになっていく。

公園での会話を反芻する余裕が、ここでやっと生まれた。
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