【完結】bitter step!
エピローグ――桜の舞う丘で、約束を交わす
「なお!――久しぶり」

「先輩!」


家の前まで迎えに来てくれた先輩の車は、『家の車』と聞いて予想していたありふれたセダンやコンパクトカーではなく、やたらと角ばった背の高い大きな車だった。

貼りつけられた初心者マークがその車には不似合いで、少しおかしい。
けど、車自体はカッコいいと思った。

先輩のイメージにはちょっと……ゴツくて、似合わないけど。


そして初めて見る、彼の

「……眼鏡」

シルバーのフレームのそれが、彼の知的な印象を強めていた。

「――ッ!」


言われて気が付いたようにバッと眼鏡に片手をやった先輩が、ちょっと目を逸らして小さく「変、かな」と呟いた。
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