空のギター
「二人も自己紹介してよ!まだ二人のこと、何も知らないし。」



 光夜の言葉に二人は頷く。雪那から、ゆっくりと喋り始めた。



「えっと……俺は神代雪那っていいます。中2です。みんなに比べたらガキかもしれないけど、よろしくお願いします!」

「……古木頼星、中2。よろしくお願いします。」

「えっ!?俺ジェネレーションギャップ感じたらどうしよう……まぁいっか。俺らもさっき会ったばっかなんだけど、お互い呼び捨てし合うことにしたんだ。二人もそれで良い?」



 まるで何処かのおじさんのような台詞を口にした風巳だったが、二人は頷いた。雪那は、この三人となら早く打ち解けられそうだなと思った。

 確証は何処にもない。所詮何となく、という雪那の勘の世界なのだが。



「自己紹介はもう良いかしら?そろそろ本題に入りたいから、みんな椅子に座ってちょうだい。
……そうそう、私はあなた達のマネージャーをさせてもらう、山内硝子です。硝子さんって呼んでね!」



 硝子がそう言ってニッコリ微笑むと、五人は揃って「よろしくお願いします!!」と答える。間もなく、六人の間に張りつめた空気が漂い始めた。
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