空のギター
 光夜だけでなく、気付けば雪那も笑っている。風巳と紘も、顔を頼星から背けながら必死に笑いを堪えていた。



「おい……頼むから、俺をからかうのは雪那だけにしといて。マジ勘弁。」



 感情表現があまり得意でないらしい頼星は、小さく溜め息をついた。社交的という訳ではなく、学校で話す友達も限られている。両親と暮らしていないことも、口には出さないが気にしているのかもしれない。



「すねるなって!みんなが頼星と関わろうとしてくれてるんだから、ちゃんと応えなきゃ。せっかくグループ組んだんだし、頼星も友達が俺と部活のみんなだけじゃ寂しいでしょ?」



 クスリと笑って言う雪那に、頼星は小さく「まぁ……」と呟く。それを見た光夜はまたもや吹き出してしまった。



「クールだなぁ頼星は!雪那も苦労してんだな。」

「まぁね……俺、これからが凄く楽しみだな!好きなことで稼いでいけるって、幸せなことだよね!!」



 雪那が嬉しそうに言い、四人も頷く。五人の気持ちが一つになったと、初めて実感出来た瞬間だった。

 と、その時。ガチャッと音がして、何の予告もなしにドアが開く。そこには息を切らした硝子が立っていた。
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