空のギター
「Hiro君は春から弟さんと妹さんと三人で暮らすそうだけど、不安はないみたいだね。Kouya君は?もう一人暮らしを始めてるって聞いたけど。」



 DJに言われ、Kouyaは小さく頷いた。



「最初は寂しかったですけど、もう大分慣れましたよ。困るのは料理ですかねぇ……俺、ほんと何にも出来なくて。Kazamiに教えてもらってます!こいつ、凄く意外だけど料理得意なんですよね。」

「おい、意外って何だよ!もう飯作りに行ってやんない!!
……よし、今度からはHiroん家に作りに行ってやるよ。SetsunaとRaiseiも、いつでも呼んでくれて良いから。」



 Kouyaを無視して三人に言うKazami、その態度に本気でショックを受けたような顔をしたKouyaを見てファン達は大笑い。ブース内のSetsuna達やDJも勿論爆笑していた。

 笑いが少し治まってきたSetsunaが「Kouyaって意外と寂しがり屋なんですよ。可愛いよね!」とファン達に向かって言うと、彼女らは首を縦に振り同意を示す。Setsunaだけではなくファンの子達にも「可愛い!!」と言われ、もうすぐ18歳を迎えるKouyaは非常に複雑な顔をしていた。
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