Blue Bird
『理央ちゃん、元気だった?』


あの嗄れた声を、あの不気味な声をまた聞くことになるなんて…



大翔さんがいてくれなかったら今頃私はどうなっていただろう。

『二度と彼女に近づくな』

あの時の彼を思い出した。今までみたことがないような顔をしていた。

大切なものを守る瞳をしていた。大翔さんがあんな顔をしたのは私が兄さんの妹だから。


兄さん、ありがとう。私は今兄さんの出会わせてくれた彼に守られてるよ。


今まで嫌だなんて思ってごめんね。今初めて思う。

兄さんの妹でよかった。柚木理央でよかった。

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