良い子とは呼ばせない
あの絵は私が小学校低学年のときにコンクールで入賞したものだ。


あのときは両親は凄く喜んで


「桃は将来画家になれるかもね」


と親バカ発言を半年近く繰り返していた。




もし今私が画家になると言いだしたら、全力で止めるくせに――。


私は頭痛で痺れるこめかみをマッサージしながら、思った。




「あんたは勉強ができて助かるわ。妹があんな感じだからねえ」



いつの間にか台所に戻っていた母が、野菜を切りながら突然大声で言いだした。
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