腹黒王子の取扱説明書
「是非!」

私は心から微笑み返すと、席を立ってVIPルームへ向かった。

部屋は個室になっていて、軽くノックをしてドアを開けると、とんでもないものが視界に映った。

嘘でしょう?

何でここにいるの?

しかも、よりによって何で今日なのよ!

許されるなら、このままドアを閉めて帰りたい。

どうして専務がいるのよ。

まずい、まずいよ。

いくら髪をアップにしてて、多少化粧がケバくなっても、今日ランチの時に隣にいた女だってわかるよね。

私……ひょっとして首?

思わず顔面蒼白になる。

専務と目が合わないよう、わざと視線を逸らした。

専務の他に四十歳位の外国人の男性がいる。

叔母さんと日本語で会話してるけど、アメリカ人…かな?

「ナナちゃん、何ボーッとしてるの?」

叔母さんが私に声をかけて、手招きする。
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