腹黒王子の取扱説明書
唇に指を当て考える。

秘書をもう一人……。

俺に媚びない奴……。

ああ、一人いるな。

近くに置いておけば監視も出来るしちょうどいい。

「数日中に何とかするよ」

まだ痛む唇の傷に触れながら、俺は須崎に向かってにっこり微笑んだ。

「お前のその笑顔、真っ黒過ぎて怖えー」

須崎がわざと怯えてみせる。

「須崎、お前ボーナスカットね。口は災いの元だよ」

俺はクスッと笑いながら須崎に残酷に告げた。
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