モテすぎる先輩の溺甘♡注意報


後夜祭が終わってすぐ保健室に再び来てくれた日菜子は、入った瞬間だいたい起きたことを予想したらしく、なにも聞かずにあたしのカバンと着替えを差し出してくれた。



英二くんは日菜子が来るや否や「じゃあ、俺は帰るね。桃ちゃんをお願いします」と、最後にお辞儀をして保健室を後にした。



明日は文化祭の片付けで学校に来なきゃいけないから、その振替で月火と休み。


さすがに今日迷惑をかけちゃったから明日は人一倍片付けに力を入れよう。

そうすると次に英二くんに会えるのは水曜日。



その日にちゃんと向き合って話そう。

こんなあたしを好きだと言ってくれたんだもん。

あたしも真面目に答えなきゃ。



「ほら!なにボーッとしてんの!そんな派手な格好してんの桃だけだからとりあえず着替えて!」


「あっ、そっか。あたしまだメイド服だったんだ」



いろいろありすぎてすっかり忘れてた。



制服に着替え終わった頃には保健室の先生も帰ってきていて、「もう閉めちゃうから帰りなさーい」と言われたのでお礼を言ってあたしと日菜子も保健室を出た。



そのままバスであたしの家に向かい、玄関の扉を開けるなり、先に帰ってきてたママがあたしに思いっきり抱きついてきた。

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