モテすぎる先輩の溺甘♡注意報




「病人が寝てるのに勝手に開けちゃダメだろ?桃ちゃん」


「……っ」




再びひーくんを見るとさっきまで目を瞑っていた穏やかな表情はどこにもなく、真っ直ぐ熱を帯びた瞳であたしを見つめていた。




「ご、ごめんっ。ひーくん具合悪いのかなって思って……」


「心配してくれてんの?」


「ま、まあ……」


「昨日からちょっと調子悪くて風邪っぽいんだよ。体もだるくてさ」




確かに体温が高くなっているのか、汗をかいたみたいに全体的に火照ってる気がする。



声も若干かすれ気味で、色っぽい……だなんて思ってしまう。



何週間ぶりかに話したけど、やっぱりこの人といるとこの人は人を惹きつける力を持ってるのを実感する。



きっとこれは恋愛的に好きとかじゃなくて、人間的なひーくんの醸し出す雰囲気があたしをドキドキさせるんだ。



それなら納得できる。



……こんなにも、あたしの心臓の鼓動が早くなることを。



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