俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
紺野がアメリカを発つ日


空港まで、見送りに来ていた友達の中に、
もちろん、駿祐の姿もあり、

紺野は内心、ホッとしていた。


そして、ギリギリになって、
歩み寄って行ったのは、紺野の方だった。


「頑張れよ!俺は駿祐の一番のファンだからな!」

「キモイよ。」

「…ごめんな!俺がこっちに誘ったのに、先に帰ることになってさ。」

「何言ってんだよ。俺が決めたことだし…感謝してる。」

「ならイイけど!」

「…紺野…アイツのことなんだけど…」

「ん?」

「…頼むわぁ。」

「…アイツってどっちのことだ?ま、俺はこの先も、誰とでも変わらず、うまくやっていくつもりだから…まかせなさい!」



紺野が乗った飛行機が、飛びたつのを見送った、
その数日後
駿祐は琴乃に、一通のメールを送った。


『今日、そっちの時間の夜9時頃に電話する。話しておきたい事があるんだ。』


そして琴乃は、潔く、
覚悟を決めた。


その日一日、
ソワソワすることも、考え込んだり、ふさぎ込むこともなく、

夜の10時頃の自分の状態など、
まったく、想像すらつかずにいた琴乃だった。



その約束の9時を、12分ほど過ぎた頃、

自分の部屋に用意しておいた、電話の子機が鳴り響いた。
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