俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「あ〜、違うよ!駿祐のことなんか、これっぽっちもナイから!だって本当ならさ、心底憎らしかったアイツと、今では、あんたや琴乃のおかげで友達になれて…これでも感謝してるんだぁ。一度は好きになった男だもん…それなのに憎たらしいなんて悲しいじゃん!」

「そっか〜。え?やっぱり分かんねぇ。じゃあ、なんでケータを薦めるんだよ!?」

「だって、あの子イイ子じゃん!」

「ばっか!兄弟だぞ!」

「だから?」

「あそこの兄弟の場合はなぁ、いろいろあって」

「それに!駿祐も目を覚ますべきだと思って!ったく、いつまでも気取ってる場合じゃないんだっつーの!」

「…結局、どっちの味方?」

「琴乃の味方!」

「…なるほどね。亜希ちゃんかっこい〜よ!俺さぁ、ホントに亜希ちゃんのことも好きなんだよ!でもホラ、俺には“高嶺の花”って言うか…」

「あったり前でしょ!」



慶太の水泳部への復帰を
暖かく迎えることは無かった部員だったが、
けっして、
冷たくも扱われない状況に
感謝する慶太は、
精一杯の気持ちを、練習することで表現した。


「ケイ、このペースなら、県大会出してもらえるかもな!」

「いや〜どうだろ?期待しないでおくよ。」

「今年のシメだもんな。出れればイイな!」

「…ありがとう。」

「頑張れよ!」


その言葉に、
兄が言う、琴乃のことは抜きにして、
ただ、単純に頑張ることを決意した慶太だった。
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