俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
さすがに、“高校生に戻った様に”とまでは言わないが、

自分の高校時代に、やり残していたことを、
今になって再発見し、それを、やり直させてもらえているようで

若返った気に、勘違いさせてもらえていると言うか…

とにかく、久しぶりにときめき、楽しかった。


自分の方が歳が上だとか、
その歳の差など、忘れさせてもくれた。


それでもやはり、
慶太の高校生活の邪魔は出来ない。

自分にもつきあいの領域があるように、
年上な分、そこは弁えている琴乃だったが、


同じ学校の教室で、廊下でグラウンドで…
同じ時間を、同じ感動を、
同じ話題で泣いたり笑ったりしているのであろう、
知りもしない女子高生に、
実は、少しだけ嫉妬する時はあった。


もちろん、そのことを慶太に言ったことはない。


そんなにも“好き”なんだと言うことが、
伝わっているのか、時折、不安にも思う。


そんな、自分を押さえてしまう時、
“やはり年上なんだ”と、思い知らされる。


友達を紹介される時も、

慶太の友達だけあって、
皆、明るく、元気で調子良く
嫌味無く琴乃をもちあげ
くったくの無い笑顔で接してくれる彼らには、
なんの戸惑いもなかったのだが、

あくまでも、
いつもそれは男友達だけで、

考えてみれば、
その彼らの彼女をも紹介されたり
カップル同士で遊ぶことなどはなかった。

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