俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
第六章 アイツの言い分。

亜希の場合

「もうすぐ1年だね!」

「え、あー、うん。」

「男の子は、あんまりそーゆーの気にならないかぁ。」

「ははは、琴乃ちゃんみたいに、夢見る乙女じゃないからね。」

「馬鹿にしてる?」

「ちっがうよ!なんか、お祝いしたほうが良いのかなぁ?って、その前置きだよぉ。」

「わ〜い!何してくれるの?」

「何でもイイよ!」

「何でもって」

「ディズニーランドでも行く?……泊りで…」


総体で、総合第3位に輝くことが出来た我が校を、
もちろん喜んでいる慶太だが、
そこに自分が、直接的には関わっていないことに、
選手達と、同じテンションとは言いがたく、

その心境を気にかけていた琴乃は、
「最後の大会で頑張ったらね!」

と切り返した。


「…そーだよなぁ!それで引退だもんなぁ!」

「うん。悔いの無いよう、頑張りたまえ!」

「いや〜。そのあとも頑張りまっせ〜!悔いの無い青春!そしたら琴乃ちゃんと会える時間も拘束されないワケだし…今までの分、とりかえしてくよ〜!」

「そしたら受験生でしょ!」

「俺、多分このまま進むから!」

「だって、大丈夫なの?」

「俺、ココと要領は良いんだ!」

そう言って、
頭を指さしたその手を、目に移動し、さらに付け足した。

「あとココも。」

「顔ってこと?」

「目!人を見る目ってこと!琴乃ちゃんを見つけたから!」
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