俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

長い一日

その日は、菊地の家の側の海に入ったので
ボードは預かってもらうことにした。


サーフショップには、目当ての人物の代わりに、懐かしい顔があった。


「オーナー!」

「お〜慶太!久しぶりだなぁ。元気か?」

「はい。」

「海、入ってきたのか?」

「なぁんか不調でしたよ。今日、紺野くんは?」

「今日は出じゃないみたいだよ。」

「そーですか。」

「学校、もうすぐ始まるなぁ。」

「ヤバいっす。課題が終わってないっす。」

「大変だよなぁ、高校生は。結局おまえ、金は貯まったのか?」

「なんだかんだで使っちゃって…」

「ダメじゃん。ボード造れねーじゃん。」

「はい。でも、あのお下がりボードが、意外とシックリきちゃってて。」

「そっか。ま、そのうち、落ち着いたら戻って来いや。」

「あざーす。」


皆にも軽く挨拶をして、
紺野くんが居ないのならと、そのまま、すんなりと家へと向かった。


だいたい、紺野くんと会って、何がしたかったのか?


でも、駅に着くと携帯電話を取り出し、
なぜかまた、紺野くんに連絡をとっていた。

すると、

「うっす!どした?」


そのテンションの高さに、
今の彼の状態がわかった。


「もう飲んでるんすか?」
< 220 / 238 >

この作品をシェア

pagetop